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前回の記事で、ブラック企業の求人についてよく使われるフレーズについて記事にしました。
今回はそのブラック企業がどの様な考えで求人広告を出し、ターゲットとしている人材について深掘りしたいと思います。
私自身もその企業の中で支店長という立場にあったので、求人広告を作成する側の人間でした。
いったいブラック企業はどの様な考えで、広告の内容を決めて求人誌に掲載するのか。その流れを紹介します。
求人誌の目的は即雇用すること
求人誌に広告を載せる意味合いは人を雇い入れることです。当然ですがそれが大前提となります。
それもブラック企業にとっては即人材が欲しいと言えます。常に人手不足に悩まされているブラック企業は、どんな人材でも良いので雇用を促進したいのがホンネです。
求人する人材はどの様なターゲットか?
求人誌に広告を出す際に考えなくてはならないことが、どの層をターゲットにするかを考えなくてはなりません。
闇雲に求人広告を作っても、一流企業じゃあるまいしブラック企業の広告に対して応募の電話が鳴ることはありません。
明確なターゲットを考えなくては、広告を出すだけムダになります。具体的に言えば、次のようなターゲットに分けて考えます。
- 独身者
- 妻帯者
- 経験者
- 未経験者
- 管理職希望
一番欲しいのは経験有りの妻帯者
極端に人が不足している時には「即戦力」が欲しいところです。そうなると未経験者より経験者の方が必要となります。そして経験者の中でも独身者より、妻帯者のほうが更に欲しい人材と考えられます。
なぜなら、独身者は何かあれはスグに退職してしまうので、いざという時に当てにできないからです。
その点では妻帯者は家庭があるので、多少の無理をさせても辞める心配がありません。そういった意味合いから未経験者であっても妻帯者を雇用したいと考えます。
求人広告はとてもお金がかかります。まともな広告を出す場合、月で最低でも数十万円単位で必要になります。桁かひとつ変わることも普通にあります。
それだけお金を掛けて採用した人材がすぐに辞めてしまうのは、費用対効果が悪すぎます。
そのため、すぐに辞める確率が低い妻帯者をターゲットにした広告が、一番効率が良いと考えます。
独身者に関しての考え方は兵隊のひとり、スグに替えがきく歯車程度の感覚です。
人事ポイント制で妻子持ちの不動産所有が高ポイント
私の勤めていたブラック企業では、1つの店舗の評価の指標として「人事ポイント」というものが重要視されていました。
各店舗の責任者同士で競わせる内容で、従業員の人数は多いのは当然ですが、各従業員の社歴、結婚の有無、不動産の所有、子供の有無、年齢などが細かく細分化されポイント化されていました。
ブラック企業で評価の高い人材
- 妻帯者
- 子供あり
- 不動産所有
特に評価が高いのが、妻帯者で子供あり、家などの不動産を購入していることでした。
絶対的に会社に対して忠誠をつくし、簡単には辞めない社員とは持ち家でローンがあり、妻と子供がいることが一番飼いならすには好都合だったのです。
このような人たちは逃げ出すことを一番には考えません。その状況を乗り切る(我慢する)ことが一番必要なことだと分かっています。
逃げれば、住宅ローンの支払いも出来なくなり、家族も路頭に迷うことになります。簡単に言えば人質にとられたようなものと言えます。
このような妻帯者が面接にきた場合は、何がなんでも採用します。どの様なウソを並べても採用してしまえばこちらのものです。ウソに気づいた時にはもう辞めることもできない状態になっているので、とりあえず採用することが優先になります。
集まりにくい妻帯者
ブラック企業としては、採用を強化したいと考えている妻帯者は集まりにくい傾向があります。
さすがに妻帯者ともなれば、勢いだけでは転職できない状況もあります。転職した場合に自分の考えていた仕事内容と違っていたとしても、安易に辞めることができないからです。そのために慎重になるのが妻帯者という訳です。
その点では、独身者は生活をしていく必要はありますが、家族を養う必要はありません。そのために条件が少しでも合えば、転職をする選択はとても早いことが、採用する側にメリットになります。
妻帯者を雇い入れる戦略
妻帯者の心を掴む求人広告が必要不可欠になります。
独身者の喜ぶ求人と、妻帯者が食いつく求人の内容は違ってきます。
独身者の場合はアットホームで従業員が仲良くしているような雰囲気が好きです。そんな写真を掲載することも独身者を多く採用するには有効手段になります。
しかし、妻帯者の場合はアットホームという言葉は響きません。それよりも「実力評価主義」の方が心を惹きつけます。
「未経験でも努力次第で、年収1,000万円」「管理職のほとんどが未経験からのスタート」こんな言葉が胸を打ちます。
妻帯者の多くは、人生を逆転したいと考えています。今までと違って今度は頑張って稼ぐことが出来るようになりたい、出世したいという気持ちが強くあります。
そのためには、努力が何倍にもなって返ってくる可能性に魅せられるのです。アットホームという和気あいあいな雰囲気が欲しい訳ではないのです。
妻帯者を引き込む求人広告
人生を懸けて転職をする妻帯者に響く求人内容とは次のようなフレーズがあります。
- 実力評価主義
- ほとんどが未経験者からのスタート
- 業務拡大のため管理職候補募集
妻帯者の転職は意気込んでいます。自分の実力はこんなもんじゃないと、本気でやればもっと上を目指せると。
今回の転職は今までの甘い考えを捨てて、人生を逆転するんだと気合十分の状態です。そんな状態ですから、未経験者でも頑張ればポジションも収入も上がると言われると、自分ならできると考えてしまうのです。
今までの自分は出来なかったけど、新天地の会社であればできると自分に言い聞かせます。
そこに未来の成功を想像させることが、求人広告とその後の面接に一番重要なことになるのです。とにかく成功を夢見させます。
学歴も経験も年齢も何も関係ない、あるのは気合いだけであると結論付けます。気合いなら誰でも奮い立たせることができます。
会社が求めているのは「気合い」のある者。それが唯一の成功方法と説きます。
採用側にいた罪悪感
私はブラック企業では最終的に支店長という立場にいました。
採用はすべて支店長の仕事であるため、わたしが採用した社員は5年間で100名近い人数に至り、面接した数はその数倍となります。
そのすべての面接には「夢」を見させることを最優先に行います。成功という名のウソを。
嘘で多くの人の人生を台無しにする行為は、次第に自分自身を蝕みます。嫌で嫌でしょうがないのですが、私自身と家族が生きていくためには会社の意向どおりに動くしかありません。私自身が完全なる社畜だからです。
しかし、心の限界が来ていた私は退職をする1年前くらいから、支店長の仕事である「面接」を行うことをしなくなりました。
その役目は次期支店長である副支店長にやらせていたのです。そのことは当然ですが本社には伝えていません。勝手にやっていました。
もう人を騙すことは無理になっていたのです。こんなことのために一生懸命頑張って来たわけではありません。人の人生を潰すウソをつき続ける罪悪感は心を闇で覆い尽くします。
ブラック企業は人を人とは思っていない
従業員はただの消耗品。それだけである。
代わりはいくらでもいる、消耗されるだけの歯車としての社員と、管理する側の立場で責任を押し付けられる消耗品。
どちらも人ではない、会社の部品。
ブラック企業に心が侵されて、自殺という選択をする人たちが多くいます。「何かがおかしい」と感じたあなたの心の危険信号は絶対に正解です。
会社を辞めてもなんとかなるとは安易に言えませんが、ブラック企業にしがみつくことは危険です。
転職を考える意思すら奪い去る、ブラック企業の労働条件は異常極まりないことです。意思を強く持たなくてはなりません。危険から逃げるという意思を。
あなたの心が完全に病んでしまっても会社は何とも思っていません。逆に迷惑と思われるだけ、そんなものです。
常に仕事を探すアンテナを張ることが重要
知人や親戚、取引先などのあらゆるところに良い仕事が無いか、情報を収集しましょう。
求人誌でも紹介でも、コネでも何でもいいです、とにかく常に転職のアンテナを張ることが重要です。そうすることで、ブラック企業へ対しての依存が軽減されます。
今の仕事は次に転職するまでのつなぎと考えることができれば、心も病むことが無くなります。
事実、私は転職活動を始めてからは、心のウキウキが止まりませんでした。それまでの病んでいた状態がウソのように晴れやかな気分になったのです。
ブラック企業に依存することが危険
とにかく過ぎてみて分かるのは「依存」が一番危険だということです。
生きていくためにはブラック企業であっても依存の対象になってしまいます。給与を頂ける大切な相手だからです。そんな状態はとても危険であると認識するためには、転職活動が一番効果的です。
ブラック企業で13年を費やして、辞めたからこそ言えるアドバイスです。とにかく新しい就職先を常に探し続けることが、健全な心を保つ方法です。
ブラック企業に飲み込まれないように注意して、人生を謳歌することを考えましょう。仕事とはあなたがハッピーで楽しく生きていくためにする手段でしかありません。
仕事をする為にあなたは、この世に生まれてきた訳ではないはずです。
苦痛なことを続けますか?
とても不味い料理を次も食べますか?
似合わない髪型に次もしますか?
嫌いな服装を明日もしますか?
嫌いな人と友達になりますか?
つまらない漫画を次も買いますか?
普通に考えていけば分かります。人間は苦痛なことを避けるはずです。そして苦痛には弱いことが普通であるのです。
苦痛であるブラック企業はすぐにでも辞めるべきです。不味い料理を食べることを止めるように。
もしも現在ブラック企業に勤めていて悩んでいる人は、行動に移すようにしましょう。私のようにブログを始めてから、心境の変化が起こりブラック企業を退職するに至った例もあります。
すぐにでも転職活動をすることが一番ですが、今までの生活を少し変えてみることで、自分の人生を振り返るきっかけになるかもしれません。
一番いけないことは停滞して「思考停止」状態にあることが危険です。思考を活性化してブラック企業から抜け出しましょう。
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